法相宗(ほっそうしゅう)

◆宗  祖:(唐)玄奘・窺基・道昭
◆大本山 :興福寺・薬師寺

宗派概要

 『西遊記』でおなじみ、玄奘三蔵(三蔵法師)が始祖の宗派です。唯識論(ゆいしきろん)を展開した理論派の学問仏教で、伝来がすべて日本人留学僧によるのも特徴です。
 法相宗は『成唯識論』を中心に唯識の立場から諸法のあり方を追求した学問仏教です。
 万物、すべての存在は識だけである(唯識)と説いています。万物は自分の心から生まれ出たものであり、自分の心を離れて存在することはできない、つまり一切の万物は自分の心そのものである(認識だけが万物の存在を決定する)、と言う考え方です。
 その認識は、六識(眼、耳、鼻、舌、身、意)とさらにその奥にある二識(末那識(まなしき)、阿頼耶識(あらやしき))でされるとし、修行によって末那識と阿頼耶識を自覚し、謙虚になって煩悩を次第に断じていくことを教えています。

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